至極もっともな話だ。
料理人の世界ならば掃除や洗い場に始まり、次には食材の買い出しと仕込みを任されるといった道であろうか。
TV業界ならばアシスタントディレクターとして寝る暇もなく下積みを重ね10年後にようやくディレクターに、さらに10年後にはプロデューサーになるといった具合であろう。
そうやって少しずつ仕事
客製化配方を覚え人は一人前の職業人になっていくのだ。
「えっ、君、大型持ってないの?」
「あ、はい」
「そんな人見たことないよ」
「だめですか?」
「だめ・・ってわけじゃないけど・・」
「ないけど・・」
「難しいよ、合格するの」
10年余り昔、僕の心の中にある想いがむくむくと湧き上がった。
(電車の運転してみたいなぁ・・)
小さい頃から電車が大好きだった、できれば電車の運転がしてみたい。しかし、こいつはどうやら難しそうだ。インターネットで電車
客製化配方の教習所を検索したがそんなものはないらしい。確かに人の命を預かる大変な仕事である、仮免をとっても路上教習に出ることもできない。専門の学校で何年も勉強し、鉄道会社に就職し、駅の業務などを経てというのが「順序」であろう。
だが、僕の気持ちはますます盛り上がる。人間、できないとなるとますますやってみたくなるものなのだ。
電車の運転というハードルは棒高跳びのバーくらい高いことが判明した。僕は背も高い方ではないし、垂直跳びも現在なら20㎝と言ったところだろう。僕は泣く泣くあきらめた。
(よし、それならバスはどうだ?)
路線バスの運転手さんはとてもカッコイイ、レールのない場所をあの大きな車体を自由自在に操るという点からすれば、技術的には電車の運転よりも難しいかもしれない。
観光バスもカッコイイ。子供の頃、バスで遠足に行くと、日光のいろは坂のような難所を見事な運転さばきで走っていく運転手さんの後ろ姿と白い手袋、さらにはバスガイドさんとのなにやら秘密めいた業務連絡にいつも憧れに
面部護理近い思いを抱いたものだ。
またまたインターネットで検索すると、バスは免許をとれば運転ができることが判明した。免許は教習を受けるか試験場での一発試験である。一発試験は教習所の卒業検定にあたる。